+ 山に猫さんを探しに

電子うさぎ

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私が住んでいる村の裏には、あまり高くない山があります。


数日前、私は猛暑の中、いてもたってもいられなくなって、その山に向かいました。

いてもたってもいられずに。


山に入る前、神社にお参りします。

村が一望できる場所なのですが、村の誰かが「今、山に人が登って行った」って見てくれてます。(監視じゃないです)


頭では、猫さんが居なくなったことは分かるんです。

でも、山に登るその時は「どこに行ったんだろう?」でした。


頂上までの道すがら、猫さんを探して、名前を呼んでいました。

体力が続かないほど落ちていたので、休み休みでしたが・・・


それから数日経って、「あれ?私、探しに行った?」という妙な感覚がしました。

猫さんの体から魂が自由になって、そういえば、私は村のあちこちの山や、猫さんがよく行きたがって一緒にお散歩をした道をたどっていた事にも気が付きました。

「もしかして、私は・・・、どこか変になっているのかも」と思うのですが、これは、自分では分かりません。

もし、精神科に行けば、何か立派な病名でもつけられそうなので行きませんけれど、「こうなったら、自分の何かが落ち着くまで、自分のやりたいように、行動したいようにしてみよう」と思いました。

混乱しているのだと思います。


夫には、その状況を話してあります。

「それはね、変な事じゃないよ」と、言ってくれていますが、私は「自分が変になったのかと思って怖いんだよ」と話しています。

心配をかけていると思います。


時折、いてもたってもいられなくなる感じで・・・

忘れる・忘れない。乗り越える・乗り越えないではちょっと説明が付きません。


でも、帰ってきて、「居なかった」と分かると、やっぱり泣きます。


日常生活が何とか送れている事が、これもまた不思議です。


夫からは「とにかく食べて、とにかく寝て、とにかく休んで、できることをやる事」と言われていて、その言葉を支えにしています。


彼女が居なくなってから、もう、まだ、5か月と少しです。

最初の数か月は「自分なりにしっかりしていた」ように感じますが、きっとそうでもなかったのだと思います。


猫さんは、これまでの私の人生の半分近くを一緒に暮らしました。


動物愛護館で出逢った時に「私は、最期まで。そして、最期の覚悟をする」と決めました。

でも、頭では決めても、そんな覚悟がもろくも崩れてしまったのかもしれません。


こういうことを言うと、非常に不謹慎だと思うのですが、

「人間の方が楽」だと思っています。

人間は「自分は何時か死ぬ」と誰もが知っているからです。

でも、自然界の動植物に「死」という概念が無いという事を、猫さんと暮らしていてよくよく分かりました。


「知らない方が、幸せなのかも・・・」と思ってしまいます。

でも、知ってしまうのですよね。


猫さんが逝く最後の1週間ぐらいから、猫さんがあまりにも穏やかになって、私はその時夢も見ましたし、「もう?」と思っていました。

最後に、私の横で体の力はどこにも入らず、それでも、穏やかでした。

最後の最期、小さな心臓の鼓動が止まった時、その後に私を見ていたかどうか分からないけれど、目を合わせていて、瞳孔がゆっくりと開いていきました。

それでも、脳はその後も動いています。

沢山なでて、いつもどおりに「かわいいね」「いつもありがとうね」と言い続けていました。


夫に花を買ってきてもらいました。(もう私は動けなかったので)

猫さんが大好きだったバスケットに、大好きだった毛布で柔らかく包んで、お花いっぱいにしました。


そのあと、夫と、猫さんと、私と「いつも通り」に話をしていました。

二人とも涙はこぼれるのですが、なぜか、「いつも通り」のたわいのない会話でした。


猫さんのバスケットから、お花を2本もらいました。

その花は、一か月以上咲き続けました。

一体どういう事なのだろうと思いました。


彼女の体の機能が止まってから見た、彼女の顔は、幸せそうに、本当に笑っているんです。


でも、それが一体、どういうことなのか、私には分かりません。


本当に、人間なら、自分で自分の最期を知っているというのは、残された人たちの救いになるのだなあと思いました。


私は今でも、猫さんのお墓に近づく事が出来ないのです。

頭では「そこに猫さんが埋葬されている」と分かるのですが、近づけないのです。


認めてしまったら、と思うと怖いのです。


また、ふらっと、猫さんがお散歩をした場所、一緒に行った場所に行ってしまうのかな・・・・


でも、そうなり始めたのは、最近で、それまでどうやって暮らしてきたかもわかりません。

心に大きな衝撃がありすぎて、やっと、こうなり始めたのかもしれないけれど、私には、分からないんです。


生前、猫さんの為にハードカバーの日記を買って置きました。

話しかけたい時に、その日記に書いています。

読み返せませんけれど・・・



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最終更新日2018-11-26
Posted by電子うさぎ

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